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「SNSマフィア」が問われる犯罪や、逮捕された後の流れを解説

2024年05月09日
  • その他
  • SNSマフィア
「SNSマフィア」が問われる犯罪や、逮捕された後の流れを解説

SNSを活用したプロモーション活動は、企業だけにとどまりません。町田市も、X(旧Twitter)やInstagramで「まちだシティプロモーション(町田市公式)」を開設して、町田市の魅力や情報を発信しています。

SNSは老若男女を問わず多くの人によって活用されていますが、良いことばかりに活用されているわけではありません。とくに、脅迫などの反社会的な行為をおこなう「SNSマフィア」は、最近になって社会的な問題となっています。

本コラムでは「SNSマフィア」の意味や問われる可能性がある罪と刑罰、逮捕された場合の刑事手続きの流れや解決策などについて、ベリーベスト法律事務所 町田オフィスの弁護士が解説します。

1、「SNSマフィア」とは?

まずは、「SNSマフィア」とはどういった存在であるかや、SNSマフィアが問題視されている理由を解説します。

  1. (1)SNSマフィアの意味

    SNSマフィアという用語は、かなり新しいものです。
    令和5年8月の段階では、インターネット百科事典として多くの人が活用しているWikipedia(ウィキペディア)にも登録されていません。

    直接の規制法が存在しないので法的な定義もありませんが、X(旧Twitter)やInstagram、Facebook、TikTokといったSNSを舞台に、秘密になっている社会の関心ごとを暴いたり、ほかのユーザーの心を揺さぶるメッセージを発信したりしながらインフルエンサーとして膨大なフォロワーを獲得し、その影響力を武器にして自らの利益を得ようとする行為をする個人や集団が、「SNSマフィア」と呼ばれています

  2. (2)なぜSNSマフィアが問題視されているのか?

    SNSマフィアの問題点は、大きく分けて二つあります。

    ひとつは、注目度の高い人物をターゲットに暴露や脅しといった行為を繰り返して注目を集め、巨額の報酬や口止め料名目の金銭徴収をおこなっているという点です。
    つまり犯罪行為によって多額の収益を得ているということになるため、警察も監視の目を強めています。

    もうひとつの問題点は、SNSマフィアの収益が暴力団などに流れている可能性が高いという点です。
    すでに捜査当局が把握しているSNSマフィアのなかには暴力団との密接なつながりが疑われているものも存在しているため、資金の流れを断つために警察も本腰を入れ始めたといわれています。

2、SNSマフィアと判断される可能性がある行為と適用される罪・刑罰

SNSマフィアには「このような条件を満たすとSNSマフィアと呼ぶ」といった定義は存在しませんが、これから挙げるような罪にあたる行為があると、捜査機関からSNSマフィアだと判断されやすいでしょう。

  1. (1)脅迫罪・常習的脅迫罪

    SNSマフィアは、一般ユーザーの興味を引き付けて自身のフォロワーにさせたりメッセージの拡散に協力させたりすることで影響力を拡大して、広告収入などで大きな利益を得ます。
    芸能人や著名人などのスキャンダラスな情報に敏感な人は多いので、これらの人物を指して「秘密を暴露するぞ」などと相手を脅すメッセージや動画を公開すれば、さらに注目度が高まり、それに応じて収入も高くなります。

    このような行為は、刑法第222条の「脅迫罪」にあたる可能性が高いといえます。
    脅迫罪は、相手本人やその親族について、生命・身体・自由・名誉・財産に害を加える旨を告知することで成立する犯罪です。
    「秘密を暴露するぞ」といったメッセージや動画を公開する行為は、とくに名誉に対する害悪の告知にあたると考えられます。
    法定刑は2年以下の懲役または30万円以下の罰金です。

    また、脅迫罪にあたる行為を繰り返したり、暴行や脅迫などの粗暴癖がある者が脅迫罪を犯したりすると、刑法の脅迫罪よりも厳しい「常習的脅迫罪」に問われる可能性があります。
    常習的脅迫罪とは、「暴力行為等処罰に関する法律」に定められている犯罪で、常習として脅迫罪を犯したときに成立する犯罪です。
    法定刑は3か月以上5年以下の懲役で、罰金の規定はありません。

  2. (2)恐喝罪

    「秘密を暴露するぞ」などと脅したうえで、口止め料などの名目で金銭の支払いを求めた場合は、刑法第249条の「恐喝罪」が成立します。

    恐喝罪とは、相手に暴行や脅迫を加えることで相手に畏怖を感じさせたうえで財産を差し出させた場合に成立する犯罪です。
    たとえば「秘密を暴露するぞ」という脅しを受けると、芸能人や著名人などは現在の地位や名声を脅かされたくないので「暴露されたくない」「暴露されては困る」という恐れの感情を抱くでしょう。
    そういった恐れの感情に乗じて、秘密を暴露しない対価として金銭などの支払いを求める行為が、本罪による処罰の対象です。

    法定刑は10年以下の懲役です。

  3. (3)名誉毀損罪

    SNSや動画投稿サイトなどで、有名人や著名人などを誹謗中傷したり、個人情報を暴露する「晒し(さらし)」行為をしたりすると、刑法第230条の「名誉毀損(きそん)罪」に問われる可能性があります。

    名誉毀損罪は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損する行為に成立する犯罪です。

    ここでいう「公然と」とは、不特定・多数の人が知りうる可能性がある状態を指します。
    そして、SNSや動画投稿サイトなどのように情報が多くのユーザーの目にとまる場は、公然性があると見なされます。

    また、「事実の摘示」とは、具体的な事がらを指すことを意味します。
    たとえば「芸能人のA氏は不倫をしている」といった発言は、具体的な事がらなので、事実の摘示にあたります。
    また、芸名を名乗っているのに本名を明かす行為や、秘密にしている出自や住所を暴露するといった行為も、芸能人や著名人のブランドを傷つけることにつながるので、民事的なプライバシー侵害だけにとどまらず名誉毀損罪の処罰の対象になり得るでしょう。

    公然のもとにおこなわれた事実の摘示によって相手の社会的な評価が下がってしまうおそれがあれば、名誉毀損罪が成立します。
    先の例に照らすと「不倫をしている」という情報は、芸能人にとってイメージダウンにつながるおそれがあり、社会的な評価が下がるおそれがあるので、名誉毀損罪が成立する可能性は高いでしょう。

    なお、名誉毀損罪には「公共の利害に関する場合の特例」が設けられています。
    たとえ名誉毀損罪にあたる行為があったとしても、次の三つの条件を満たす場合は処罰されません。

    • 公共の利害に関する事実である
    • その目的がもっぱら公益を図ることにあったと認められる
    • 摘示した事実が真実であると証明される


    もっとも、芸能人や著名人に対する誹謗中傷や晒し行為は、たとえその内容が真実であったとしても公共の利害や公益目的といった条件を満たすとはいえないので、この特例によって処罰を免れられる可能性は低いでしょう。

    名誉毀損罪の法定刑は、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金です。

3、警察に逮捕されるとどうなる? 刑事手続きの流れ

SNSマフィアとして捜査機関から疑いの目を向けられると、脅迫や恐喝、名誉毀損といった容疑で警察に逮捕される危険が高まります
以下では、警察に逮捕された場合の流れについて解説します。

  1. (1)逮捕・勾留による最大23日間の身柄拘束を受ける

    警察に逮捕されると、警察の段階で最大48時間、送致されて検察官の段階で24時間、合計72時間にわたる身柄拘束を受けることになります。
    ここで検察官が勾留を請求し、裁判官が許可すると最短でも10日間、最長では20日間身柄を拘束されるので、逮捕・勾留を合計すると最大23日間も社会から隔離された状態が続くことになるのです。

  2. (2)起訴されると被告人になってさらに勾留される

    勾留が満期を迎える日までに、検察官が起訴または不起訴を判断します。
    起訴されるとそれまでは被疑者という立場だったのが被告人へと変わり、さらに勾留を受けて警察署の留置場から刑務所が管轄する拘置所へと移送され、刑事裁判を待つことになります。
    不起訴になった場合は刑事裁判が開かれず、身柄拘束の必要もなくなるので即日で釈放されます。

    SNSマフィアとして逮捕された場合、容疑をかけられた罪がひとつではなく複数になるケースもあります。
    たとえば、相手を脅迫する内容の動画のほかにも、相手を誹謗中傷する動画も公開していたといった場合は、脅迫罪と名誉毀損罪がそれぞれ別に成立します。

    このようなケースでは、複数の事件の捜査が並行するのではなく、まずは脅迫罪の容疑で逮捕され、勾留が満期を迎える日に名誉毀損罪の容疑で「再逮捕」されてしまうおそれがあります。
    法律上、ひとつの犯罪について二度以上の逮捕は禁じられていますが、別の犯罪の容疑があれば続けての逮捕は可能です。
    再逮捕は勾留が満期を迎えて最初の事件の起訴・不起訴が決定したあとで執行されるのが一般的で、再逮捕されたあとは最初の逮捕と同じ手続きがふまれます。
    たとえば二つの犯罪の容疑で逮捕・再逮捕された場合、二度の逮捕・勾留が繰り返されるので23日間×2回=最大46日間にわたる身柄拘束を受けたうえで、さらに被告人としても勾留される危険があるのです。

  3. (3)刑事裁判が開かれる

    検察官による起訴からおよそ1~2か月後に初回の公判が開かれます。
    次回以降の公判はおおむね1か月に一度のペースで開かれるので、とくに争いがない場合でも終結までに3か月程度の時間がかかると認識しておきましょう。

    起訴されて公判が始まるまでの間や公判が続いている期間は、被告人としての勾留が続きます。

    起訴されたあとは一時的な身柄拘束の解除である「保釈」の請求も可能ですが、逃亡や証拠隠滅を疑われて許可されない可能性も高いでしょう。

    刑事裁判の最終回では判決が言い渡されます。
    日本の刑事司法の現状をみると、検察官が起訴した事件の99%以上に有罪判決が言い渡されています。

4、SNSマフィアとして容疑をかけられたら弁護士に相談を

捜査機関はSNSマフィアを強く危険視しています。
もし容疑をかけられてしまった場合は、逮捕・勾留による長期の身柄拘束や厳しい刑罰を受ける事態に発展する可能性が高いため、ただちに弁護士に相談して、被害者との示談交渉を進めていきましょう。

  1. (1)事件解決には被害者との示談交渉が有効

    脅迫や恐喝、名誉毀損などの事件を穏便に解決する方法として有効なのが、被害者との「示談」です。
    示談とは、捜査機関や裁判所が関与しないところで、犯罪の加害者と被害者が和解に向けた話し合いを進めることをいいます。
    加害者は犯罪行為によって被害者が被った損害の賠償金や精神的苦痛に応じた慰謝料などを含めた示談金を支払い、被害者はこれに応えて被害届や刑事告訴を取り下げる、という流れが一般的です。

    被害者との示談が成立すれば、被害届や刑事告訴の取り下げによって被害者に「犯人を罰してほしい」という意思がなくなったと評価され、逮捕の回避や勾留の阻止につながりやすくなります。
    名誉毀損罪のように、検察官が起訴する際に被害者の告訴を必要とする「親告罪」にあたる事件では、刑事告訴が取り下げられると検察官は起訴できないので不起訴とするしかありません。
    また、検察官が起訴に踏み切った場合でも、すでに民事的な賠償を尽くしており、被害者もこれを受け入れて処罰を望んでいないと評価されて、執行猶予や罰金といった有利な処分が下される可能性も高まるでしょう。

  2. (2)被害者との示談交渉を弁護士に任せるべき理由

    刑事事件の解決には被害者との示談交渉が有効ですが、加害者本人やその関係者が被害者に接触するのは禁物です。
    脅迫・恐喝・名誉毀損などを受けた被害者の多くは、加害者に対して強い恐怖や怒りを感じているので、加害者本人やその関係者との接触を避けようとします。
    示談を進めたいばかりに何度も接触を試みようとすれば「脅されている」と誤解されてしまい、かえって事態が悪化してしまうかもしれません。

    安全に示談交渉を進めるためには、弁護士に対応を任せたほうが賢明です。
    弁護士が代理人となって交渉を進めることが約束されれば、被害者の警戒心もやわらぎ、示談交渉に応じてもらえる可能性も高まります

5、まとめ

SNSでの影響力を高めたうえで、芸能人や著名人に関する秘密の情報を暴露したり、暴露をほのめかして脅したりする行為をする個人や集団は「SNSマフィア」と呼ばれます。
秘密の情報の暴露や誹謗中傷などで話題を集めたり、あるいは標的を脅して口止め料などの金銭を支払わせたりといった行為は、法律の定めに照らせば犯罪となります。
捜査機関にSNSマフィアとして疑いをかけられてしまうと、逮捕・勾留による長期の身柄拘束や厳しい刑罰を受ける危険があるので、心当たりがある方は弁護士に相談してください。

SNSマフィアだと疑われるかもしれない行為をしてしまった、あるいはすでに警察の取り調べを受けているといった状況がある方は、まずはベリーベスト法律事務所にご連絡ください。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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