ブログの誹謗中傷を削除する4つの方法とは? 削除の基準についても解説!

2018年12月27日
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ブログの誹謗中傷を削除する4つの方法とは? 削除の基準についても解説!

ネットを巡回していると、無料ブログで自分に対する誹謗中傷の記事を発見してしまった…。
悪質な場合には、自分のフルネームや住所、電話番号など個人が特定できる情報が書かれているケースもあります。

ネットで自分に対する誹謗中傷や個人情報が書かれていれば、どうにかして書き込みを削除したいと考えるのが普通でしょう。もっとも、自分に対して誹謗中傷を書き込む相手に心当たりがない場合、どうやって対処していいのかわからないのではないでしょうか。

そこで、今回は、ブログの誹謗中傷記事を削除する方法や、ブログの誹謗中傷記事が削除される基準、ブログでの誹謗中傷被害を弁護士に相談するメリットなどについて解説いたします。

1、ブログの誹謗中傷記事を削除する方法

ブログで誹謗中傷の書き込みを見つけた場合、どうやって削除すればいいのでしょうか。ここでは、ブログの誹謗中傷の書き込みを削除する4つの方法をご紹介します。

  1. (1)投稿者に削除を依頼する

    まずは、投稿者に直接コンタクトをとって誹謗中傷の書き込みの削除を依頼するという方法が考えられます。もっとも直接的かつ簡明な方法であり、これがうまくいくのであればそれに越したことはありません。

    しかし、中傷を繰り返している投稿者が素直に削除依頼に応じるということはなかなかありません。

  2. (2)管理人へ削除依頼をする

    投稿者ではなく、ブログの管理人に誹謗中傷の書き込みの削除を依頼するという方法があります。

    管理人への削除依頼については、専用の問い合わせフォームが設置されていることがほとんどです。ブログサービスのトップページの「お問い合わせ」や「ヘルプ」といった項目から、フォーム画面へ進みましょう。

    そこで、住所や氏名、連絡先などの基本情報に続いて、権利侵害情報を記入していきます。権利侵害情報には、①掲載されている場所、②掲載されている情報、③侵害されたとする権利、④権利が侵害されたとする理由を記載するのが一般的です。

    ①掲載されている場所には、プライバシーの侵害や誹謗中傷の書き込みが掲載されているブログや記事のURLを記入することになります。

    ②掲載されている情報には、どこに、なにが、どうなっているという情報を書く必要があります。たとえば、サイト上に、実名を記載した書き込みがあり、誹謗中傷されているというように記載することになります。

    ③侵害されたとする権利は、誹謗中傷された場合は名誉毀損(きそん)、電話番号や顔写真を勝手に掲載された場合はプライバシーの侵害というように書きます。

    ④権利が侵害されたとする理由では、どのような損害が生じているかということを明らかにする必要があります。具体的には、他人が許可なく私の個人情報を掲載し誹謗中傷したため精神的苦痛を受けたというように記載します。

    削除依頼フォームの必要記載事項を全て埋めて指定の方法によって送信すれば、書き込みの削除依頼の手続きは完了します。

    もっとも、削除依頼があったからといって、その書き込みが必ず削除されるというわけではありません。書き込みを削除するかどうかは、あくまで管理人の判断に委ねられています。

  3. (3)法的手段として、仮処分の手続きを利用する

    直接投稿者に削除を依頼する場合や管理人に削除を依頼する場合、相手が削除に応じないと判断すれば、書き込みはそのまま残ってしまうことになります。

    このような場合に強制的に書き込みを削除するため、法的手段として、削除の仮処分の手続きを利用するという方法があります。

    仮処分とは、裁判で判決が出る前に、裁判に勝ったときと同じ状態を確保することができる手続きのことです。

    仮処分といっても、裁判所から削除命令を受けた相手は削除に応じることが多いことから、その後の手続きは必要なくなることがほとんどです。相手方が削除に応じない場合には、強制執行の手続きをとることになります。

    仮処分の手続きに特別な資格は必要ありません。もっとも、複雑で専門知識を要するものであることから、自分の力で手続きを進めるのは簡単ではありません。

  4. (4)名誉毀損で訴える場合は、発信者情報開示請求を行う

    プライバシー侵害や誹謗中傷の書き込みを削除できたとしても、相手が同じような書き込みを繰り返すことがあります。そこで、精神的苦痛を与える不法行為であるとして、裁判で損害賠償を請求することが考えられます。
    この場合、相手が誰であるか特定して訴えるため、「発信者情報開示請求」という手続きをとることになります。

    発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任制限法第4条に基づく請求です。この請求が認められれば、サーバ管理者であるプロバイダから、ネット上でプライバシーの侵害や誹謗中傷の書き込みを行った記事掲載者情報の開示を受けることができます。
    開示される情報は、発信者がプロバイダに登録している住所や氏名、電話番号などです。

2、ブログの誹謗中傷が削除される基準は?

ブログの管理人に誹謗中傷の書き込みの削除を依頼した場合、どのような基準で書き込みが削除されるのでしょうか。

現在ではさまざまなブログサービスがあるため、削除基準は一概にはいえずブログサービスによって様々です。

ここでは、ひとつのモデルとして、大手のブログサービスである「はてなブログ」の削除基準についてご説明します。

はてな情報ガイドラインによれば、削除依頼がされた場合、その内容に基づき、その書き込みが他人の権利を侵害しているか・はてな利用規約に違反しているかが判断されます。

はてなブログでは、侵害された権利の内容によって削除の判断基準および対応が異なっています。

たとえば、一般の方がブログの書き込みで誹謗中傷の被害にあった場合は、以下のような基準でその書き込みが削除されるかどうかが決定されます。

まず、誹謗中傷等特定の人の社会的評価を低下させる情報が掲載された場合は、原則として削除手続きが進められます。もっとも、削除を依頼した人が名誉毀損、侮辱の対象となっていると特定できない場合、削除は行われません。

また、削除を依頼した人がブログの記事を書いた人に継続的に反論を行っていて、議論が十分に成立している場合にも、原則として削除を行われません。
ただし、このような場合であっても、人身攻撃に及ぶような侮辱的な表現が用いられているケースや議論が十分に成立していないケースなどは、原則として削除手続きを進められます。

このように、ほとんどのブログサービスでは削除基準のガイドラインが定められています。

3、ブログの誹謗中傷被害を弁護士に相談するメリット

誹謗中傷の書き込みはそのまま放っておくとますます広がってしまい、被害が拡大していくことが予想されます。

もっとも、削除依頼申請フォームでの削除理由の書き方や仮処分の申し立てをするための必要書類や手続きなど、一般の方が自分でやろうとすると多くの労力や時間がかかるおそれがあります。

誹謗中傷などの書き込みに対する削除依頼の経験が豊富で、法律の知識を有している弁護士に依頼すれば、書き込みが比較的短期間で削除される可能性が高くなります。

また、同じことが繰り返されないように、書き込みが削除された後の誹謗中傷対策について相談することもできます。たとえば、発信者情報開示請求による相手方の特定や損害賠償請求訴訟の提起といった依頼も合わせてすることができます。

このように、ブログで見知らぬ人から誹謗中傷を受けた場合、その書き込み削除を弁護士に依頼するメリットは多くあります。

4、ブログの誹謗中傷を代行で削除する業者に要注意

ネット上には、ブログの誹謗中傷を代行で削除すると謳う業者が存在します。しかしながら、弁護士法72条は「弁護士でない者は、報酬を得る目的で……一般の法律事件に関して……法律事務を取り扱い、又はこれらを斡旋することを業とすることができない」と定めており、弁護士でない者が法律事件に関する法律事務を行うことを禁止しています。

そして、掲載された誹謗中傷の書き込みの削除請求は法律事件に関する法律事務にあたると考えられるため、弁護士資格を持たない業者が依頼を受けて請求を行うことは、弁護士法72条に違反する可能性があり、契約しても無効になってしまうかもしれません。

したがって、敷居が高いなどと思わず、最初から代行業者ではなく、弁護士に相談するようにしてください。

5、まとめ

今回は、ブログの誹謗中傷を削除する方法や、ブログの誹謗中傷が削除される基準、ブログの誹謗中傷被害を弁護士に相談するメリットなどについて解説してきました。

繰り返し述べているように、誹謗中傷をそのままにしておくと書き込みが拡散されてしまい被害が大きくなってしまい、その削除に多大な時間と費用がかかるおそれがあります。

適切な対処をして被害の拡大を防ぐためにも、できるだけ早く弁護士に相談しましょう。ブログで見知らぬ人から誹謗中傷を受けてお悩みの方は、ベリーベスト法律事務所にご相談ください。弁護士が全力であなたをサポートいたします。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています