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東京都ぼったくり条例違反とは? 迷惑防止条例との違いと刑罰内容

2024年03月26日
  • 財産事件
  • 東京都ぼったくり条例違反
東京都ぼったくり条例違反とは? 迷惑防止条例との違いと刑罰内容

平成27年6月、キャバクラ店で「逃げられないぞ」などと脅して高額な飲食代金を支払う旨の念書を書かせた容疑で、町田市に住む男ら合計4人が逮捕されました。容疑は「東京都ぼったくり防止条例」の違反などです。

町田市では、犯罪の発生件数が抑えられているのに市民の体感治安が悪い原因として繁華街における悪質な行為があることを指摘しており、管轄の警察と連携して予防や取り締まりに努めています。迷惑な「ぼったくり」行為は、ここで挙げた事例のように逮捕される危険な行為だと認識しておきましょう。

本コラムでは「東京都ぼったくり防止条例」によって規制される行為の内容、同じように繁華街における悪質な行為を規制する迷惑防止条例や風営法との違いなどについて、ベリーベスト法律事務所 町田オフィスの弁護士が解説します。

1、東京都ぼったくり防止条例とは?

まずは「東京都ぼったくり防止条例」の概要を解説します。

  1. (1)「ぼったくり防止条例」とは?

    ぼったくり防止条例とは、公安員会が指定する地域で営業している飲食店や性風俗営業店を対象に、不当・法外な料金を請求する「ぼったくり」行為を規制するものです。
    平成12年に全国で初めて東京都で制定され、以後、大規模な繁華街を抱える大阪府・愛知県・広島県・福岡県・新潟県・宮城県・北海道でも同様の条例が制定されました。

    「ぼったくり防止条例」という名称は通称で、東京都では「性風俗営業等に係る不当な勧誘、料金の取立て等及び性関連禁止営業への場所の提供の規制に関する条例」が正式名称です。
    正式名称は各都道府県によって異なりますが、おおむね同じ目的や趣旨だとわかるような、似た名称が用いられています。

  2. (2)ぼったくり防止条例の対象となる営業形態

    ぼったくり防止条例が規制の対象としているのは、都道府県の公安委員会が規則で定めた特定の区域で営業している次の形態の店舗です。

    • 酒類提供営業
    • バーやキャバクラなど、店舗を設けて客に飲食させる営業のうち、客に酒類を提供し、かつ接待をおこなう営業

    • 性風俗営業
    • ファッションヘルスやエステなど、店舗を設けて異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業


    一般的に、不当・法外な料金請求は業種や営業形態を問わず「ぼったくり」と呼ばれていますが、ぼったくり防止条例が規制するのは酒類提供営業と性風俗営業に該当する店舗だけです。

2、ぼったくり防止条例違反となる行為・罰則

ぼったくり防止条例が規制する行為は、主に以下の3点です。

  1. (1)料金等の表示義務違反

    本条例によって規制される店舗は、営業所内において客に見えやすいように料金等を提示しなければなりません。
    ここでいう「料金等」とは、飲食代やサービス料だけでなく、たとえば店舗における禁止行為について違約金などを請求する場合も含まれます。
    店舗を利用した客が、どのようなサービスにどれだけの料金が発生するのかを確認できない状態は違法です
    また、料金表示も、「実際の料金よりも安い」と勘違いさせる内容であったり、違約金などが発生する条件に虚偽があったりした場合も規制の対象になります。

    単純な表示義務違反には罰則がありませんが、実際の料金よりも安いと勘違いさせるような表示をした場合には、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

  2. (2)不当な勧誘等の禁止

    実際の料金よりも安いと勘違いさせるような言葉や表示によって客となる勧誘する行為も違法です。
    たとえば、実際はもっと高額の料金を請求するのに「ひとり1時間2000円ポッキリで追加料金は一切なし」といったうたい文句で勧誘する行為が該当します。

    罰則は6か月以下の懲役または50万円以下の罰金です。

  3. (3)不当な取り立ての禁止

    料金や違約金を取り立てるにあたって、粗野・乱暴な言動を用いたり、所持品を隠して迷惑を覚えさせたりするような行為があった場合は「不当な取り立て」にあたります。
    「家族に伝える」「職場に連絡する」などと脅す行為も同様です。

    違反すると6か月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

3、迷惑防止条例や風営法との違い

ぼったくり防止条例と近い存在といえるのが、都道府県の「迷惑防止条例」と、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律、いわゆる「風営法」です。
以下では、ぼったくり防止条例とこれらの法令との違いを解説します。

  1. (1)迷惑防止条例との違い

    ぼったくり防止条例と同じく、客を勧誘するための行為に関する規制が存在するのが迷惑防止条例です。
    東京都の迷惑防止条例には、公共の場所において、不特定の者に対し、異性による接待をして酒類を伴う飲食をさせる店舗へと勧誘する「客引き」を禁止する規定があります。
    この点は、ぼったくり防止条例における「不当な勧誘等の禁止」と似ていますが、規制される行為の内容は同じではありません。

    迷惑防止条例は不特定の者に対して執拗(しつよう)に勧誘する行為を禁止していますが、ぼったくり防止条例違反によって禁止されているのは客に実際の料金よりも安いと勘違いをさせるような言葉や表示による勧誘だけです。
    つまり、店舗へと誘引する行為については、ぼったくり防止条例よりも迷惑防止条例のほうが幅広く規制されているといえます。

    ただし、ぼったくり防止条例には、迷惑防止条例にはない不当な取り立て行為を禁止する規定が存在しています。
    店舗への誘引行為に違反がなくても、客に正規料金を隠したり、不当・法外な料金を請求したりといった行為が違反となるという点では、ぼったくり防止条例のほうがさらに一歩進んだ規制を設けているといえるのです

    なお、迷惑防止条例は全都道府県において施行されていますが、ぼったくり防止条例は一部の都市圏に限って施行されています。
    つまり、客を誘引する行為についてぼったくり防止条例で規制できない地域では、迷惑防止条例違反の適用が可能であるか否かが、検討されることになります。

    また、地域を限定して自治体が独自の規制を加えている場合があることにも注意してください。
    たとえば、新宿区では「新宿区公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例」が施行されており、迷惑防止条例で禁止されている「客引き」に加えて、勧誘相手を待つ「客待ち」も禁止されているのです。

  2. (2)風営法との違い

    風営法にも、料金の表示義務や客引きの禁止といった規定が設けられており、ぼったくり防止条例と共通する点があります。

    ただし、風営法における料金の表示義務違反には罰則の規定がありません。
    この点は、客の誤認を招くような表示があれば処罰されるという点で、ぼったくり防止条例のほうが厳しいといえるでしょう。

    また、風営法には料金の表示義務があるものの、不当・法外な料金を請求する行為に触れた条文はありません。
    この点に注目すると、やはり、ぼったくり防止条例は「悪質なぼったくり行為を規制する」という目的に特化した法令だと評価できます。

4、ぼったくり防止条例違反で警察の取り締まりを受けたときの正しい対応

以下では、飲食店などを経営されている方が警察にぼったくり防止条例違反の疑いをかけられてしまったときに取るべき対応を解説します。

  1. (1)警察の取り締まりを受けるとその後はどうなる?

    警察の取り締まりには、逮捕を伴う「身柄事件」と逮捕を伴わない「在宅事件」とがあります。

    身柄事件になって逮捕された場合は、警察の段階で48時間以内、検察官の段階で24時間以内、合計で72時間以内の身柄拘束を受けるので、自宅に帰ることも仕事に行くことも許されません。
    さらに検察官の請求によって勾留を受けると、10~20日間にわたって身柄を拘束されます。
    勾留の期限が過ぎる日までに検察官が起訴すると刑事裁判の被告人としてさらに勾留され、刑事裁判が終了するまで釈放されません。
    刑事裁判が終了するのは起訴の日から数か月後なので、身柄事件では長期にわたって社会から隔離された状態が続きます。

    一方、在宅事件になった場合は身柄拘束を受けません。
    ただし、何度も警察署に呼び出されて任意の取り調べを受けることになるため身柄事件よりも時間がかかるうえに、在宅事件だからといって起訴されにくいわけでもないので、単純に有利だとはいえないでしょう。
    在宅事件でも起訴されて有罪判決を受ける危険があるため、厳しい刑罰を避けるための対策は必須です。

  2. (2)取り締まりを受けたらただちに弁護士に相談

    警察の取り締まりを受けたら、逮捕の有無にかかわらずただちに弁護士に相談しましょう

    弁護士に相談すれば、今後の事件の流れについて正確なアドバイスが得られます。
    これからどのような流れになるのかを把握できれば、必要な対策も見えてくるはずです。

    ぼったくり防止条例違反といっても、冒頭で紹介した事例のように逮捕されるケースばかりではありません。
    とくに、行政からの指示を受けた段階では、指示に従って改善すれば刑事事件としての摘発は見送られる可能性も高いといえます。
    酒類提供営業や性風俗営業に詳しい弁護士に相談して、どういった改善を施せばよいかについて、アドバイスを受けましょう。

    また、もし、いきなり逮捕された場合は、身柄拘束からの早期釈放や検察官による起訴の回避などに向けた対策を尽くさなくてはなりません。
    厳しい刑罰を避けるためには、刑事事件の解決実績を豊富にもつ弁護士のサポートが必須です。

5、まとめ

東京都の「ぼったくり防止条例」は、繁華街における不当な勧誘や不当・法外な料金の取り立てなどの行為を禁止する条例です。
悪質なぼったくり行為が厳しく取り締まられることは当然ですが、規制のなかには「客に見えやすいように料金を提示する」など、とくに悪意がなくても違反になってしまう内容もあります。
東京都やその他の都市で種類提供営業や性風俗営業を経営されている方は、条例の規制内容についてしっかりと理解しておくべきでしょう。

ぼったくり防止条例違反の容疑をかけられてしまい、警察の取り締まりを受けた方は、まずはベリーベスト法律事務所にご相談ください。
酒類提供営業や性風俗営業に関する規制に詳しく、刑事事件の解決実績も豊富にもつ弁護士が、厳しい処分を回避するためのサポートを行います。

  • この記事は公開日時点の法律をもとに執筆しています

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